バレリーナのイメージと言えば、トウシューズを履いて軽やかにつま先で踊る姿を思い浮かべます。自然と足首がキュッと引き締まっていて、太ももは細くしなやか、姿勢も良いので、とても美しく見えることでしょう。
実際に、友人などでバレエをしている人を見て「姿勢が綺麗」「足が引き締まっている」と思ったことはあるかと思います。それだけバレエの動きは、日頃使いづらい筋肉を鍛えてくれ、ダイエットにも活用できるものが多いということです。
そこで今回は、バレエの基本でもある「つま先立ち」動きに注目してみましょう。実際に行われているバレエの「つま先立ち」のやり方や、ダイエットにも繋がるトレーニング術をご紹介していきます。
バレエのつま先立ちの種類
バレエには大きく分けて「ルルベ」「ポワント」という2種類のつま先立ちがあります。
■ルルベ
初心者が履く柔らかいバレエシューズと、上級者が履くトウシューズのどちらでも行われる立ち方です。指を折った状態で、指の腹で床を押すようにしてかかとを上げるのが特徴。足の指を丸めずに、5本の指でしっかりと床を押し、体重が均等になるように上体を引き上げて立ちます。
初心者レッスンでも必ず練習する基本的な動きのひとつです。
■ポワント
ポワントは、トウシューズを履き、先端の平らになっている部分をつま先で立つことです。トウシューズはバレエシューズよりも固くなっているため、足や足指の筋肉をしっかり鍛えておかなければ、体重を支えることができません。そのため、大人であれ子供であれ、ある程度バレエを上達してから履けるようになります。
正しいつま先立ちのやり方
バレエでは、足が床から浮いているときには常に「つま先を伸ばす」というルールがあります。立っている時だけでなく、ジャンプ直後にもつま先を伸ばさなければいけません。
では、バレエレッスンで「つま先を伸ばして」と言われた場合、足の指はどうやって伸ばすのが正しいのでしょうか?
よく初心者の方が勘違いしやすいのは、足の指をグーにして曲げることです。つま先立ちをすることで指に力が入り、指の第一関節や第二関節が曲がっている状態であればNGです。正しいつま先の伸ばし方は、足の指がグーではなく、”伸ばしたまま指を揃える”のが正解です。
「つま先を伸ばしたままトウシューズでどう立つの?」と疑問に思うのが当然ですが、バレリーナは脚の指や柔軟性を、普通の人では考えられないほど鍛えています。
つまり、トウシューズでのつま先立ちは、ハードなトレーニングを積んだからこそできる上級者の動きなのです。
つま先を上手く伸ばすためには、足指の第1関節・第2関節を伸ばしたままを意識しましょう。足指がグーになってしまうとカマ足になりやすく、甲が縮んで筋肉も余計に収縮してしまいます。体重がかかっていても、足の指は強く伸ばそうとして立つのが、つま先立ちの基本です。
ダイエットに活用できる「ルルベ」トレーニングをご紹介
先ほど説明したように、「ルルベ」とは足指の腹を床に付けて、つま先立ちをする方法です。バレエ初心者がまず通る道でもあり、バレエをしていない方でもダイエットに活用できる動きでもあります。つま先や足の裏を鍛えると同時に、ふくらはぎや太ももの筋肉も使うため、引き締まった足を作るのに最適なトレーニングですよ。
では、「ルルベ」取り入れた誰でも簡単にできるトレーニング法を説明していきます。
①交互に足踏みする
・両足を揃えた状態で、壁などに手を置く
・そのままかかとを交互に持ち上げる
・持ち上げた時は、指の腹で地面を抑えるようにイメージで、指先側に体重をかける
足首を柔軟にしながら、足裏の筋肉やふくらはぎの筋トレ効果があります。
②両足でルルベする
何度か足踏みを繰り返した後は、両足のかかとを上げます。この動きがバレエの「ルルベ」に当たります。手を放してバランスを取ることで、足裏やふくらはぎだけでなく、お腹の筋肉を鍛える効果も期待できます。
・指の腹全体でしっかり床を押す
・頭のてっぺんから上に引き上げられるようなイメージを持つ
・バランスが取れそうなら手を放す
③つま先を外に向けながらルルベする
足を揃えたルルベに慣れてきたら、次は足先を外側に向けましょう。バレエのポジションでは「1番」と言い、かかと同士を合わせて足先を外側に向けたポジションを指します。
・1番のポジションから、両足のかかとをぐっと上にあげる
・かかとを上げたまま3秒ほどキープし、ゆっくりかかとを下ろす
・この上げ下げを10回~30回ほど繰り返す
足を外側に開いたことで、太ももや太もも裏、お尻の筋肉を鍛える効果があります。バランスを取るのが難しい方は、何かに掴まりながらトレーニングするようにしましょう。
「ルルベ」トレーニングのポイント
ルルベトレーニングのポイントは、正しくルルベの動きを取ることです。かかとを上げる時には中途半端な高さにならないように意識し、指先でしっかりと体重を乗せ、床を押すことがポイント。このかかとの上げ下げを繰り返すことで、足首や足指を強くするだけでなく、ふくらはぎや太もも、お尻の筋肉を鍛えることに繋がりますよ。
最後はストレッチを忘れずに!
バレエの基本動作である「つま先立ち」について解説してきましたが、いかがでしたか?バレエを綺麗に踊るためにも必要不可欠なトレーニングです。
また、普段の「歩く」「走る」といった動作ではなかなか使わない足の筋肉を使うことができるので、ダイエットにも繋がります。慣れないうちは筋肉痛になってしまうこともありますが、トレーニング後は必ずストレッチをしたり、ゆっくり湯船に入ったりして筋肉をほぐしてあげましょう。
ぜひ、毎日少ない数からトレーニングを始めてみてはいかがでしょうか?