バレエを始めたばかりの人がまず苦戦することのひとつは、「ジャンプが覚えられない」という悩みです。バレエにはたくさんのジャンプが存在しているだけでなく、ステップ名は外国語といったことから、なかなか馴染みがなく覚えにくい、と苦労している人も多いのではないでしょうか?
しかし、たくさんあるバレエのジャンプには、大きく分けて5種類のジャンプに分類することができます。基本の動作とステップ名を紐づけることで、複雑なジャンプも覚えやすくなりますよ。
そこで今回は、5つのジャンプの特徴や代表的なステップをご紹介していきます。
バレエの基本動作 5つのジャンプの「パ」
「パ」とは、バレエのステップや動きの種類のこと指すフランス語です。レッスン時にもよく使われる用語ですので、知っている人もいるでしょう。
バレエには、以下の5つのジャンプのパがあります。
①両足で跳んで、両足で着地する
②両足で跳んで、片足で着地する
③片足で跳んで、両足で着地する
④片足で跳んで、同じ片足で着地する
⑤片足で跳んで、もう一方の片足で着地する
それぞれ詳しく解説していきます。
①両足で跳んで、両足で着地する
プリエと呼ばれる、両足や片足の膝を曲げる動作を使います。ジャンプや回転の際には、プリエが重要となり、初めてのレッスンではプリエの練習から入るのが原則とされています。
このジャンプは、プリエを十分に行い、足裏でしっかりと床を踏み、勢いよくジャンプします。両足で同時に飛び、着地するときにも両足で着地するのが特徴。左右のバランスを均等にしながらジャンプすることが必要となります。
なお、このジャンプは小さなジャンプとして、本格的なステップに向けてのウォーミングアップとして行われるのが一般的です。
代表的なジャンプ
・タン・ルヴェ
・シャンジュマン・ドゥ・ピエ
・ロワイヤル
・カトル
・シス
・シャンジュマン
②両足で跳んで、片足で着地する
両足で跳んだ後、片足で着地するため、両足着地のジャンプよりも動きのコントロールが必要とされます。着地のプリエを深くしてしまうと、膝の筋肉でバランスを保つのが難しくなるため、片足着地では両足着地よりもプリエを浅くするのがポイントです。
かといって浅すぎても良くないため、片脚のプリエでどの程度まで支えられるのか、練習の時に確認しておくことが大切です。
代表的なジャンプ
・プティ・ジュテ
・シソンヌ
・トロワ
・サンク
③片足で跳んで、両足で着地する
片足で跳ぶジャンプは、両足で跳ぶよりも難しくなります。片足のプリエで十分な力をためてジャンプする必要があるため、足の筋肉や膝に負担がかかりやすいと言えます。
飛びづらく強い力が必要となるため、無意識にかかとを上げてジャンプしてしまいたくなりますが、これはNGです。ジャンプ直前にかかとを上げてしまうと、ジャンプの高さや形が悪くなってしまうため、低いジャンプであってもしっかり足裏を使ってプリエすることが重要です。
なお、このジャンプでは足を前後入れ替える場合と入れ替えない場合、移動する場合としない場合があることを覚えておきましょう。
代表的なジャンプ
・アッサンブレ
④片足で跳んで、同じ片足で着地する
片足で跳んで同じ足で着地するジャンプは、それほど大きなジャンプとしては扱われていません。しかし、足の筋力はもちろん、上半身のコントロールも大変難しいジャンプと言えます。
片足で自分の体重を全て支えるわけですから、それほどレッスンを重ねる必要があるでしょう。プリエとジャンプと着地の3つのバランスをしっかり保てる脚力が必要です。
代表的なジャンプ
・タン・ルヴェ
・バロネ
⑤片足で跳んで、もう一方の片足で着地する
このジャンプは、グラン・アレグロで踊られるジャンプです。片足でプリエを踏み込んでから大きくジャンプし、移動して違う足で着地するという、空中で体制を変えながら行うのが特徴。
バレエの華やかなステップで大きく行われるため、より大きく高く飛ぶ必要があります。高く飛ぶための脚力、体制維持のための上半身の力、柔らかんな着地のためのバランス感覚など、どれも高度なテクニックが求められるものばかり。
バレエを習いたての人は、十分に基本のトレーニングを行ってから練習することになります。
代表的なジャンプ
・グラン・ジュテ
・アントルラッセ
・パ・ドゥ・シャ
ジャンプのコツを抑えよう!
上記でお伝えした5種類のジャンプでは、どれの共通したコツがあります。それぞれの動作を区別してコツを抑えることで、ジャンプが格段に上手くなりますよ。
■ジャンプ前のプリエ
かかとを床につけて足裏でしっかり床を捉える。膝を柔らかくしてプリエを行うのがポイント。
■ジャンプ中
飛び上がった後は、ポーズに向けて素早く両足を整える。ポーズはできるだけキープするように心がける。
■着地するとき
つま先から静かに床に着地するように心がける。かかとが床に触れたときに、膝を柔軟に使うのがポイント。
まとめ
バレエのジャンプは全部で5種類です。難易度が高いものもあるため、順番にひとつひとつ練習を重ねていくことが大切です。
この5つのジャンプを習得すれば、あらゆるステップでも応用でき、バレエのレベルもグンと上がります。はじめは簡単なジャンプやポジションの練習から入りますが、まずは基礎をしっかり習得しておくことが、バレエ上達のカギとなります。