バレエに興味がある、子供に習わせたい!
でも、バレエについて良く知らない…という不安を持つ人も多いのでは?
バレエと聞くと「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」などをイメージすると思いますが、まさにこれらを“クラシックバレエ”と呼びます。
クラシックバレエでは、伝統的な技法や定められた振り付けで踊るのが特徴です。
現代ではモダンバレエやモダンダンスなどの新たなジャンルのバレエが誕生していますが、バレエのは全てのダンスの基本とも言われているほど、大切なものなのです。
ここでは、クラシックバレエが生まれた歴史についてお話ししていきます。
バレエの誕生
バレエのルーツは、中世イタリアの貴族で行われていた舞踏会が起源だと言われています。
その後、フランス宮廷文化が進むにつれ、貴族たちは豪華な衣装を着けてバレエを踊っていたようです。
今のバレエでは想像がつきませんが、ヒールのある靴で踊っていたという話もあるとのことで、驚きですよね。
しかしある時、スコットランドの妖精物語「ラ・シルフィード」において、つま先で立って踊る“ポワン”という技法が開発されます。
それ以降バレリーナ立ちはこの”つま先踊り”をするようになり、クラシックバレエの前のスタイルでもある「ロマンティックバレエ」が生まれました。
当時はまだチュチュではなく、裾が長く円錐形に広がる「ロマンティック・チュチュ」を着用していましたが、バレリーナの特徴でもあるトゥシューズは、この時に生まれました。
この時代の代表作は「ラ・シルフィード」「ジゼル」などです。
クラシックバレエの始まり
バレエが始まったのは、ルネッサンス期のイタリアが起源だとされています。
歌詞や台詞を伴わない舞台舞踊、音楽伴奏や舞台芸術を取り入れて表現されるオペラの一部でした。
最も古い形式といわれているのが、18世紀後半フランスで踊られていた「ロマンティックバレエ」。その後西ヨーロッパへと広がり、19世紀後半にはロシアで飛躍的に発展しました。
そしてその頃、ロシアのペテルブルグのマリインスキー劇場を中心に活躍し、新しいバレエを確立したのが「マリウス・プティバ」という人物です。
彼は、回転などの踊りのテクニックが高度になった、より華やかな作品である「眠りの森の美女」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」という歴史上最も有名な3大バレエを誕生させました。
この時代のバレエ様式を「クラシック・バレエ」を呼びます。
衣装においても大きな変化があり、これまで裾が長かった「ロマンティック・チュチュ」に比べ、足の動きの美しさを魅せるために、裾が短く傘のように広がった「クラシック・チュチュ」へと変化するようになりました。
チャイコフスキーの楽曲と組んで誕生したこれらのバレエ作品は、不朽の名作として、今もなお愛される伝統舞踊として継承されています。
厳格な振り付けで踊るクラシックバレエ
クラシックバレエでは、伝統的な形式が重要とされています。
厳格に定められた技法と振り付けで踊るため、それぞれの動きに細かい決まりがあるのが特徴です。
また、「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」にみて分かるように、クラシックバレエでは古典的な物語が作品に用いられています。
作品が生まれた時の振り付けは今も変わることなく、別の公演であっても振り付けや技法は同じように踊り続けられています。
さらに、クラシックバレエでは衣装にも決まりがあります。
丈の短いチュチュを履き、トゥシューズというバレリーナの定番でもある衣装が、クラシックバレエの基本とされています。
このように、伝統的な形式を重んじ、衣装や振り付け、物語にも決まりがあるというのが、クラシックバレエのスタイルなのです。
自由に表現できる新バレエの誕生
古典作品を題材にした厳格なクラシックバレエは、今もなお愛され続けているものですが、現代では新しいバレエのスタイルも確立してきています。
その代表となるのが「モダンバレエ」です。
モダンバレエは20世紀初頭にロシアで生まれ、振り付けはクラシックバレエのように厳密な決まりがなく、現代的で独創性があるのが特徴です。
また、楽曲や題材においても自由に選ぶことができ、物語性がない作品もあります。
衣装もチュチュやトゥシューズに限らず、作品によって衣装を変えたり、裸足で踊ることもあるのです。
クラシックバレエから見るととても自由度が高いバレエですが、その分個性や個人を自由に表現できるという魅力があります。
モダンバレエの代表作には「牧神の午後」「春の祭典」などが挙げられます。
どちらも従来のバレエにはない独特なステップが用いられています。
さらに進化している現代バレエ
モダンバレエはバレエの中でも新しいスタイルの一部ですが、その後にも斬新なバレエが登場してきています。
従来のクラシックバレエには無いような創作芸術ともいわれているのが「コンテンポラリーダンス」です。
本来のバレエに新たな要素を含んだものから、反バレエ的なダンスまで、既存の踊りの枠に収まらないダンスと位置付けられています。
伝統を守り綺麗に踊るクラシックバレエと比べ、コンテンポラリーダンスは社会や人に対して、感情を体全体で表現するというのが魅力です。
「美しいものだけが芸術ではない」という新しい芸術性を知ることは、クラシックバレエを学ぶ上でもとても重要なことではないでしょうか?
これからクラシックバレエをしよう!という方は、ぜひ色んな側面からバレエの魅力を感じてみてくださいね。