【バレエの歴史】

◆バレエとは

バレエとは、ルネサンス期のイタリアで生まれフランスで発達しロシアで栄えた舞踊です。様式化された動きやポーズ、ポジションで構成されています。それゆえバレエの専門用語やバレエレッスンのメソッド、作品の振付は大きく見ると世界共通です。

◆バレエの歴史

バレエ「太陽王役」を踊るルイ14世

バレエはルネサンス期(14世紀~16世紀)にかけてイタリアで誕生しました。中世イタリアの貴族の館で行われていた舞踏会が起源であるとされています。イタリアからもたらされたバレエはフランスに伝わります。
歴史的に有名な国王ルイ14世自身もバレエを踊り、バレエを手厚く保護していました。ルイ14世時代の踊り手の中心は貴族たちで、豪華な衣装をつけて宮廷でバレエを踊っていました。1670年にルイ14世自身が年齢的なものからバレエを引退すると、バレエの舞台は宮廷から「劇場」に移り、鑑賞用のバレエが中心となり職業ダンサーの踊りへと変化していきます。
当初は男性の舞踏家が中心で、女性の方が少なかったのです。まもなくオペラ座から続々と女性の職業舞踏家たちが現れ人気を博し、それと共にオペラからバレエが独立しストーリーのある物語構成でバレエが進行していく時代が到来します。

19世紀後半になると,バレエの中心は,ロシアに移ります。ロシアではより技巧的なスタイルが発展し、1回転回るのが精一杯であった技術から32回転の連続回転が生まれるなど超絶技巧なスタイルが確立していきます。現代のバレエのスタイルはこの時代に出来たものです。脚の技を魅せるためにも、ロマンティックチュチュのような長い丈のスカートではなく、「チュチュ」スタイルの衣装が誕生しました。
そして有名なマリウス・プティパによって振付台本構成されたバレエと有名な作曲家チャイコフスキーによるバレエ音楽『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』といった名作が生まれます。

20世紀に入ると,世間からは新しい感覚を持ったバレエが求められるようになります。ディアギレフの率いるバレエ団「バレエ・リュス」が誕生し革新的な変化をもたらしました。ディアギレフはバレエにおける芸術の融合を目指し、様々な振付家や芸術家とタッグを組み19世紀までの踊りとは異なる新しいバレエ作品をプロデュースしました。有名な作品として「火の鳥」「春の祭典」「韃靼人の踊り」などがあります。
1920年代からはバレエ・リュスの地位を脅かすバレエ団も登場し、後期のバレエ・リュスは「知的にすぎる」「あまりに近代的である」とみなされ批判も集まりましたがディアギレフ死去後も革新的なバレエは世界中に広まりました。今日のモダンバレエの礎となっています。

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