バレエをしている方々が多く抱えている問題が“腰痛”だと知っていますか?日常生活を送っていても多くの方の悩みの種となる腰痛は骨でも運動不足でもなく、腰の筋肉が鍛えられていないことが原因です。
骨が守ってくれない繊細な部位
人体の構造上、内臓や生命維持に必要な部分には“骨”で覆って守っているものです。
例えば胸部には肋骨がありますが、腰には背中を支えている背骨くらいしかありません。守ってくれる役割を果たす骨が少ないため、腰という部位は繊細で痛みを感じやすくなっています。
バレエはつま先立ちを基本とし、腹部や腰を引き上げる感覚で踊っています。
腰を引き上げる動作では骨盤周辺にある筋肉を使用して引き上げて、全身のバランスを取っています。そのため腰を引き上げる時に負担がかかってしまい、腰痛へとつながってしまいます。では腰に負担をかけずにバレエを踊るにはどうすれば良いのでしょうか。
腰痛を改善する方法
腰の筋肉を解す
負担がかかり、筋肉が凝り固まって痛みを感じます。固まってしまった筋肉を解してあげることが大切です。自分のペースに合ったストレッチを日々行い、呼吸を整えながらゆっくり体の疲労を取るように行いましょう。温めることで血行促進効果を発揮させるため、お風呂に浸かることも筋肉を解してくれるために効果的です。
腹筋を強くする
単純に腰への負担を減らすために、腹筋を鍛えることも効果的です。
腹筋を鍛えるとバレエに必要なお腹を引き上げる動作の上達にも繋がります。
腰を反ってしまっている人は腹筋が弱く、腰痛になりやすいため骨盤の向きを正しく保つように鍛えることが大切です。腰の筋肉よりも腹筋の方が鍛えやすい傾向にあるため、腹筋の強化は腰痛改善にお勧めです。
腰痛が原因で引きおこる病気
バレエを続けているとアラベスクやターンアウトの動作で腰を痛める方も多いと思います。腰痛はスポーツ選手にも多く見られ、悪化していくとさらに重い病気を発症してしまうことがあります。
ぎっくり腰
急性腰痛症とも言われるぎっくり腰は腰痛を放置していたことが原因で起こるものではありません。ですが慢性的に感じている腰の痛みよりも激しい痛みを伴い、動くことができなくなる方も多く見られます。バレエではフェッテの後に発症する方が多くいます。
椎間板ヘルニア
バレエの動作は椎間関節に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアに発症する可能性は高くなります。一度発症すると安静状態が続くため、バレエを続ける方々にとっては辛い症状になります。またジャンプをした後の着地する衝撃も椎間板ヘルニアを誘発する危険性を伴っているため、バレエをする方々に多く見られる症状です。
仙腸関節を痛める
骨盤の安定を保つ役割を持った仙腸関節は負担が大きいと緩んでしまいます。仙腸関節が緩むと骨盤部分が安定せず、腰で支えようと筋肉が働き結果的に仙腸関節と腰双方に痛みを生じてしまいます。慢性化してしまうと柔軟性がなくなり、腰痛を治し辛くしてしまいます。
バレエストレッチで腰痛を予防!
最近では自宅でできるバレエエクササイズといったものが流行っていますが、バレリーナを意識したストレッチで腰痛を予防することができます。横になった状態でできるストレッチを2種類、ご紹介します。
①仰向けに寝転がり、足首が90度になるようにつま先を立てます。
②片膝をまげて膝小僧を抱えるように胸に近づけ、腹部を見るように上体を持ち上げます。
③そのままの体制で3秒~5秒キープし、ゆっくりと片膝と上体を元の位置に戻します
④反対側の膝でも行い、片膝5セットずつ行います。
①仰向けに寝転がり、足を少し開いた状態で膝を立てます
②手で支えながらお尻を上に持ち上げていき、膝下部分が床に対して垂直になるようにします
③持ちあがったら開いている足をゆっくり閉じて、膝を合わせます
④膝をくっつけることができたらゆっくりとお尻を下ろしていきます
⑤これを5セット行います
日頃の運動量によってできる回数は異なってきますが、なるべく時間をかけながら毎日行うようにしましょう。ストレッチは継続していくことで筋肉が解れやすくなり、必要な筋肉だけが鍛えられていきます。
まとめ
バレエだけに限らず、スポーツをしているとどうしても腰には負担がかかってしまいます。腰の痛みを慢性化させないために日々のストレッチや対策が重要になってきます。
ストレッチをすることは腰痛予防以外に一日の疲労感を落としてくれる効果なども期待できますので、なるべく毎日行うようにしましょう。万が一腰の痛みが激しい場合は上記でご紹介した病気を発症している可能性もあり、また内臓の疾患が原因の場合もあります。放置と自宅療養は悪化させてしまうこともありますので、一度病院での受診がお勧めです。
時間が取れるのなら整体やマッサージなどを訪れ、プロの手によって筋肉を解してもらうことも腰痛改善に繋がります。